ニキビ跡ケロイドの種類・「肥厚性瘢痕」と「ケロイド」の違いとは?

ニキビ・吹き出物の炎症が悪化するほど、皮膚へのダメージが大きなものになります。皮膚の損傷が大きくなると、ニキビ痕がクレーター状に陥没してしまうことがありますが、まれにニキビ跡の皮膚が盛り上がった瘢痕を形成することもあります。

これを肥厚性瘢痕、またはケロイドといい、ニキビの炎症や外傷などによってその傷を修復するためにコラーゲン線維が過剰に増生されたことが原因で、アレルギー素因が関係して発生するとされています。

外傷や手術によって傷跡ができるのも肥厚性瘢痕、またはケロイドですが、それらは見た目は似ていますが厳密には違いがあります。

肥厚性瘢痕とケロイドの違い

肥厚性瘢痕とは?

ニキビ跡の肥厚性瘢痕の画像 肥厚性瘢痕とは、ニキビ、外傷、手術などの皮膚の損傷によって発生した赤く盛り上がった瘢痕組織をいいます。進行性がなく、元の範囲からそれ以上大きく拡大していくことはありません。また、数年から数十年といった長い時間がかかりますが、自然に消えていくことも多いです。

ケロイドとは?

ニキビ跡のケロイドの写真 ケロイドとは、ニキビ、外傷、手術などの皮膚の損傷によって赤みのある盛り上がった瘢痕組織が形成され、その瘢痕が時間の経過とともにしだいに拡大していくものをいいます。進行性があり、元の範囲を超えてしだいに大きくなります。基本的に自然に消失していくことはありません。ケロイドは進行性があることから進行性のない肥厚性瘢痕とは厳密には区別されます。治療方法も限られることも多いです。

盛り上がった瘢痕組織を一般に「ケロイド」といったりすることがありますが、実際にはケロイドであるケースは非常にまれで、多くのケースでは肥厚性瘢痕であることがほとんどです。以前に私が勤めていた病院でも、顔のニキビ跡で肥厚性瘢痕を形成している方は多く見ましたが、ニキビ跡でケロイドを発生している人はやはり圧倒的に少ないです。

成熟瘢痕

成熟瘢痕 盛り上がった瘢痕組織の進行がなく、赤みが取れて白くなった状態が成熟瘢痕です。局所的にコラーゲン線維が過剰増生されたことで、見た目に白く見えるようになります。手術を行ったことがある人は、この状態が残っている人も多いと思います。肥厚性瘢痕の赤みが取れて盛り上がりが残った場合もこの状態になります。

肥厚性瘢痕、ケロイドが発生しやすい身体の部分・場所

肥厚性瘢痕やケロイドは、主に胸や背中、肩に発生しやすいことで知られています。顔では頬やUゾーン(フェイスライン)に発生しやすいです。ケロイド体質でニキビが発生しやすい人は、瘢痕形成を抑制するトラニラスト(製品名:リザベンなど)という抗アレルギー薬を服用したほうが良いかもしれません。

トラニラストは、皮膚損傷後に放出されるサイトカインを阻害し、コラーゲンが過剰に増生されるのを予防します。トラニラストはジェネリックも登場しています。

ケロイド、肥厚性瘢痕が発生しやすい時期・年代

肥厚性瘢痕やケロイドは、年齢的には思春期に発現しやすい傾向があります。10~20代に発生しやすく、以降は年齢を重ねるごとに発生しにくくなっていきます。これは、加齢によってコラーゲンを作り出す能力が低下することや、免疫反応も落ち着いてくることが関係していると考えられます。

肥厚性瘢痕とケロイドの治療方法の違い

一般に、ケロイド・肥厚性瘢痕の治療は以下のような方法があります。

  • トラニラスト(製剤名:リザベンなど)の内服。
  • ステロイド局所注射。
  • ステロイド外用。ステロイドテープなど。
  • シリコンゲルシートやスポンジなどによる圧迫。
  • ヘパリン類似物質軟膏(製品名:ヒルドイド軟膏など)の外用。
  • 手術による切除。
  • レーザー治療。(色素レーザー、フラクショナルレーザー、ジェネシス)。

肥厚性瘢痕や成熟瘢痕では上記のような治療法が有効ですが、ケロイドの場合は皮膚にダメージを与える行為がかえって悪化要因になったりすることがあるため治療法が限られることがあります。ケロイドが大きくなった場合はトラニラストの服用と共に皮膚を切除することが多いです。